Eight To Infinity | 26832 | EU | 2024 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: GestureI
A2: GestureII
A3: GestureIII
B1: GestureIV
B2: GestureV
B3: GestureVI
アンゴラ出身、ベルギーを拠点に活動するアーティスト Nástio Mosquito。ミュージシャンという枠に収まらず、詩、パフォーマンス、映像、美術まで横断する表現者として知られています。2024年リリース。アルバムという形式を取りながらも、彼の思想や態度そのものを記録した作品と言ったほうが近い1枚です。
なんともジャンルで整理しにくい音楽。スポークンワード、歌、ノイズ、ミニマルなビート、沈黙。それらが整理されることなく並置され、時にぶつかり合うサウンド。リズムがはっきり立ち上がる場面もあれば言葉だけが残される瞬間もあり、聴き手は常に足場を探しながら進むことになります。アフロディアスポラやポストコロニアルな視点も内包していますが、メッセージは説明されません。あくまで声の強度や言葉の配置によって、感覚として伝えてくるタイプです。
タイトルの「0」は、無ではなく起点。積み上げる前の場所に立ち返り、何を信じ、何を拒むのかを問い直す姿勢が全体を貫いています。音数は多くありませんが、沈黙や間の使い方が極端に鋭く、聴いている側の集中力も試される作品。それでも、実験音楽にありがちな冷たさはなく、むしろ人の体温や怒り、ユーモアがはっきり残るのが印象的です。正解を探さずに受け取ることで、作品は自然に輪郭を持ち始めます。EU盤。
Sleeve: シュリンク/ゲートフォールドスリーヴ/薄くスレ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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